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楽しく暮らそう。ゆきうさぎの創作雑記

【詩エッセイ♪】 夢のたびびと・41~42「光と希望」

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こんにちは、ゆきうさぎです。
はじめましてのみなさま、ご訪問ありがとうございます☆
前からご覧になられているみなさま。引き続き、「夢たび」お楽しみ下さい♪
子供の頃から夢を見ずにはいられないまま、大人になりました。そんなゆきうさぎが10年近く前に書いていた詩「夢のたびびと」に、このたび新たに「夢たび景色」を書き加えたものが、このブログです。
できるだけ毎日更新していくつもりですので、よろしかったらお付き合い下さいね!

 

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イラスト提供:ふわふわ。り

 

夢たび41「ノンベルグ修道院

ここは 交易の街
今は昔 帝国がこの地を支配した頃
彼の地は 塩の街と呼ばれた

 

ここは 音楽の街
今は昔 王族がこの地を支配した頃
彼の地で 古典派の神童が生まれた

 

ここは 祈りの街
今も昔も 神の社があまた存在する
なつかしい あの名画も撮られた
彼の地の 修道院を舞台に

 

暑い夏の日の午後
その古い修道院の 木の扉をくぐると
薄暗がりの中 二階から 
賛美歌が響いていた

 

歌声はあれど 姿は見えず
パイプオルガンが 石作りの壁にこだまする

 

空気に 静謐な力がみなぎって
音楽が 色づき
祈りが 風を起こす

 

空耳? 
いいや 今たしかに 
天使の羽音が聞こえた
 

夢たび42「希望の火」

昔 人間に初めて炎をあたえた神がいた

人に火を与えてはならぬ それが神々の掟
けれど人を愛し 人を信じ
天上の神々の宮から 禁断の炎を持ち出した
かの神の名は プロメテウス

それから幾星霜
人はいったい どれくらいの木を燃やし 
神のごとき 都を築いたのだろう

それでもまだ 飽き足らず 
人は
燃える水を見つけ
燃える空気を見つけ
燃える氷を見つけ
ただひたすらに 燃やし続けた 

大地のすべてが燃え尽きて
海が枯れ果てる日
神々の杞憂は 現実となるのだろうか?

今こそどうか 教えてほしい 
親愛なる プロメテウスよ
希望の炎の ともし方を

あなたの弟が 娶った女 
パンドラが災厄の箱を 開けた際も

希望だけは 人に残されたのだから
 

【夢たび景色】「光と希望」

「ノンベルグ修道院
みなさんは、ノンベルグ修道院って、ご存じですか?
オーストリアザルツブルグっていう街にある有名な修道院です。
映画「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台になったところといえば、ああ、って思われる方もいるかな?
うーん?て方は、サウンド・オブ・ミュージックで有名なのは「ドレミの歌」「エーデルワイス」なんかです(他にもあるけけど、教科書級だととりあえずこの2曲か)。というと、ああ~、なるほど、な人もいるかな。
ゆきうさぎ、ザルツブルグへは3,4回は行ったでしょうか。
家族旅行でも行ったし、ザルツブルグから電車で1時間のプリーンって田舎町に2ヶ月くらいいたこともあるからその時はちょこちょこ行ったし、新婚旅行でも行きました(だって夫が行きたいっていうんだもん)。
ザルツブルグっていう街の特色としましては-、まず、ドイツとオーストリアの国境の街だということ。
欧州は陸続きで隣国が接していますので、電車を降りると、以前はパスコントロールがあったんですよね。
とは言っても、ドイツもオーストリアも、基本ドイツ語だし、見た目同じようなかんじの人たちが住んでるので。
「ちょっと買い物しに隣の国へ~」
とか、
「ちょっとお茶しに、隣の国へ~」
が、あのあたりじゃ普通なんですよね。
ゆきうさぎの知り合いの、貴族のおばあちゃんが(イタリアに城を複数持ち、ローマ教皇とも繋がりのある、ほんとに本物の貴族です!!!しかも女優だった。えー、なぜそんな方とお知り合いなんだ、ゆきうさぎ!ってところは、とりあえずすっ飛ばす 笑)プリーンにも住宅があって住んでいたのですが。
その、ジブリの映画に出てきそうな、お上品なおばあちゃんがね。
「ゆきうさぎ~、さあ、今から美味しいケーキ屋さんへドライブしましょ」
とか言って、バイエルンアルペンの田舎道を、クラシックベンツですっ飛ばすわけなのですが。
しばらくいくと、掘っ立て小屋みたいな、日本だとすごく小さい料金所みたな出入国管理所がありまして。おじさんが二人くらい、カードゲームなんかしてるわけ。
で、おばあちゃんが、
「いつもの店にいくわ」
「オッケー、今日はなんのケーキ食うんだい?」
「おや、その見慣れないお嬢さんは?」
「日本人よ」
するとおじさんたち、にわかにカードを放り出し、
「日本人?なんでまた!!」
おばあちゃんはすまして「知り合いなの、わたくしの。おほほほ」
「えー、日本人のパスポート見たい!」
「俺も!」
ドライブしてた当時はまだ一応パスポートを確認する風習がありました(EU内で)。でもおばあちゃんのは見てなかったけど。
おじさんたち「へー、これが日本のパスポートか……(すげえ)」
え、そんなに日本のパスポートめずらしいんだ。笑
いやはや、こんなふうにローカルなパスコントロールも、世の中にはけっこうあるんですよね 笑
さて、話をザルツブルグに戻しますと。
ザルツブルグはさすがにこれほどローカルじゃないですけど、でも、「ミュンヒェンから来ました(電車で2時間コース)」みたいな人は、EU前でもほぼスルーでしたね。
この街はですね、ローマ時代の昔から、「塩の交易都市」だったんですね。
ザルツ=塩、ブルグ=宮城、みたいな意味なので、ドイツ語だとまんま「塩の街」って意味になるんで、ドイツ語わかる人は「ここは塩に関係する場所なんだ」ってすぐわかるんですけども。
昔から、良質な岩塩がたくさん出たみたいです。
日本って、まわりを海に囲まれてるじゃないですか。
だから消費される塩は海から取った塩、これあたりまえですが、世界で消費されている塩の7割以上、岩塩なんですよね。そりゃ、海に接してない国のほうが多いくらいなんだから、さもありなん、なんですが。
そんなわけで、ザルツブルグを発展させてきたのは塩。
そこを治めていたのは宗教指導者。というわけで、教会やら修道院が多いのはそのせいなんですよね。
映画「サウンド・オブ・ミュージック」はモデルとなった一家が実在し、あんなに映画みたいにドラマチックじゃなかったにせよ、その一家がアメリカに亡命したのは事実なわけで、マリアのモデルも本当にノンベルグ修道院にいた人ということで。
まあ、普通にザルツブルグに行ったら何回でもまた行っちゃいますよね、映画に出てくる修道院 笑
他にもモーツアルトの生家とか、有名スポットはいっぱいあるんですけどねー。
で、たまたまノンベルグ修道院に行った時、だーれもいない礼拝堂に、賛美歌が響いていたんですよ。
たぶん、観光客から見えない二階から10人?くらいで、修道女さんたちが歌を歌っていらしたんだと思うんですが。
これが、修道院の高くて尖った天上に反響して、ものすごく独特のオーラが出ていました!!
ゆきうさぎ、鳥肌立ちました。美しくて、崇高すぎて。
歌声も綺麗なんですけど、声で祈る、っていうんですかねー。純粋に神に捧げる敬いの気持ちとか。世界を愛する気持ちとか。賛美の歌とは、かくあらんや。
なにかね、目に見えない光の力を感じるというか!!
気づけば、涙がこぼれ落ちていた。
この世界には、まだまだ、私の知らない美しいモノがたくさんあるなあ、と呆然と立ち尽くした一時でした。
 
「希望の火」
みなさんは、ギリシャ神話のプロメテウスってご存じですか?
天界から人間に火をもたらした知恵の神。
プロメテウスって名前は「先に考える者」みたいな意味で、弟のエピメテウスが「後に考える者」みたいな意味。ようは、兄は賢者で弟はお馬鹿さん。。。なので弟は神々が火を盗っていった復讐で使わしたパンドラって美女を、兄は止めたのに嫁にしちゃって、パンドラもけっこういい加減な女なので、持ってきた開けちゃいけない災厄の箱を好奇心からあけちゃってー。
箱からありとあらゆる厄災が飛び散った後、最後に残ったのが「希望」でした。って話なのですが。
 
夢たび「希望の火」は、そのギリシャ神話がモチーフなんですけど、昔、新橋の駅から内幸町のほうへ行ったところに日石の本社ビルがあって、そこに金ぴかのプロメテウス像が立ってたんですよね。
ゆきうさぎは、「あー、石油会社=火を扱う=希望の火=プロメテウスね」って思って毎日見てたんですけど(会社が近くだった)。
ある日、後輩男子にその話をしたらば、
「えー!知らなかった!なんだろう、このおっさん、ってずーっと思ってた」と。
えー、プロメテウスって有名人じゃなかったんだ?!ゆきうさぎもびっくりだよ。
 
で、まあとにかくあの金ぴか像がすごく印象に残ってまして。
詩中の
燃える水=石油
燃える空気=天然ガス
です。
あとホントは燃える石もあるね、石炭がね。
「人間は火を使う唯一の動物である」
って言いますがー。
考えると文明が発生して以来、燃料の歴史=人間の歴史なんですよね。
水とか火とかって、あまりにも身近すぎて、普段はあんまり意識せずに使ってますが、やっぱり忘れちゃいけない大事なことなんだって、ホントに思います。
特に日本って国は、燃料の9割を外国に依存してるわけで。
タンカー爆撃とか中東地域の安定とか、全然、他人事じゃないのであって。もっと切迫した肌につきささる問題なわけで。
電気も今は、ほぼ石油を燃やして作ってるわけですしね。
もし、明日から火を使えなくなったら、さあ、どうする? めっちゃ困る!!
とか思うと、だんだん不安にもなってきますが――。
いやいや、こういう時こそ、希望を胸に前に進まなくちゃいけないんだよな、という思いもあり、ね。
そんな経緯で「希望の火」ができましたとさ。
お楽しみいただけましたでしょうか。
 
それではまた。
 
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