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楽しく暮らそう。ゆきうさぎの創作雑記

【在住体験記】ベトナムってどんな国? 3年暮らしてみて、思ったこと②

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みなさん、こんにちは。
ゆきうさぎです。

前回からベトナム体験記を書いています。↓

yukiusagi-home.hatenablog.com

こちらの記事はアルクさんから「ベトナムについて教えて下さい」とリクエストを頂いて始めたものになります。

私はベトナムに、かつて3年住んでいました(ドイツには6年住んでいました)
この間に息子を妊娠、出産したこともあり、当地には色々な思い出がありますが、、、今回はリクエストにお応えする形で、おもに日本との暮らしの比較と生活体験談をベースに書いていこうと思います♪

それでは、どうぞ☆

「若者が多い=社会が明るい」は、じつはリンクしている

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(写真:ベトナム語ONE PIECE

前回記事からの続きになりますが。。。
発展途上国という位置づけのベトナムですが、ベトナム戦争で上の世代が大量にお亡くなりになられているせいもあり、国民の平均年齢は約30歳
日本より10歳以上若いので、当然、街中は若者の熱気であふれかえっています

私はこの点は日本よりベトナムのほうがいいと断言できます。
若者だらけだと、ゴミを路上に捨てたり、夜間でもうるさく笑い騒いだり、子供が甲高い声でしつこく泣き騒いだり、カフェでお茶してるところにボール飛んできたりは、平気であるのですが。

ベトナムの老人や壮年の大人たちは、これを注意しないのです。見て見ぬフリをするか、笑っている。ここは日本の老人や大人たちと最大級にちがうところ
老人の数が少ない上に、いちいち注意されない=若者が大手を振って自由に街を我が物顔で歩ける。
これがまかり通る世の中は、街全体が明るいです。
なにせ若者は箸が転がっても笑うし、未来に根拠もなく明るい希望を持っている。まだこれからの人生が長いから目が精気にあふれて、輝いている
そういう人の隣にいると、なんだかこちらまでウキウキ楽しく、パワフルになれるんですよ。若者パワーのおすそわけを頂けるんです。

これを身近で見てきて帰国した私、日本の壮年・老年世代がベトナムの同世代と同じように振る舞うにはどうしたらいいのか、ためしに考えてみました。

赤ん坊、子供の声を基本的にうるさがらない。
子供を外で自由に遊ばせる。
夜中や早朝に子供が外で1,2時間ぎゃん泣きしていても文句を言わない。
道や空きスペースでボール遊びしていても目くじら立てない。
花や草をむしっていても怒らない。
庭木の果物を勝手に食べても気にしない。
車で通行中、前を子供たちが道を塞いでいたら、車を止めて、のんびり子供達が避けるのを待つ。
若者の礼儀について注意しない。若者たちはそういう生き物だと思ってただ眺める。
子育て世代のしつけがなってないと言わない。自分たちは関係ない人。放っておく。
ただし、子供が目の前でぎゃん泣きしていたら赤の他人の子でも進んで補助し、自らの育児スキルで落ちつかせる。口だけ出して突き放すのではなく、自ら行動してみせ、経験値を若い世代に伝授する感じ。

……うーん……(遠い目)なんか、無理そうだなぁ(苦笑)

しかし、よく東南アジアの人たちからは「日本人は冷たい」と評されますが、ようするにこのへんの言動を、冷たいと言われているんじゃないか。
若者達が生きやすい社会になれば、もう少し日本社会全体も、のびやかになるんじゃないかと思うのですが。。。

どちらが大事か――「本質」と「正義」

ただ、上記のようなことで上世代が口出しするケースって、基本的に「私は正しい(ルールに従っているのは私のほうだ)」「だから、まちがっている相手を正さねば(懲らしめなければ?)」っていう正義感からの発言なのかなという気がします。

私、3年暮らすうちに、どうやらすっかり感覚がベトナム仕様になってしまっていたようで。
帰国したあと、近所のスーパーに入ろうとしている若い女の子が、のろのろ車道を横断していたんですが。
そこに走ってきたおじさんの運転する車が、すかさず警音をビーッと鳴らしたのに遭遇したことがあったんですけど、おおう、日本人怖、と思いました。

おじさんの警音の言い分はすぐにわかりましたよ、「そこは渡るとこじゃねーだろ!」「のろのろして、邪魔なんだよ!」「危ねえな!」「交通ルールを無視すんな!」「正義は俺だ!」おそらくこんな気持ち?

でもね~。
ベトナム人なら、そんなことくらいで警音鳴らしません。ただ黙って女の子を避けるだけです。
そこになんのイライラ感情もない。だって、そこはそんな沸騰するようなところじゃない。
むしろ「えっ、歩行者見えてるのに、あなた避けられないんですか? そんなに運転下手? 機転が効かないの?」って意外に思われる、たぶん。
信号が赤だろうが青だろうが、のろのろ程度の歩行者を避けて運転できないなんて腕がないなー、みたいな。

だいたい人間なんてものは、ミスもするしルーズだし、そんな四角四面の規則に完璧になれるわけない存在なんだから、できもしないことを責めたってナンセンス。
そんなこと言ってる暇あるなら、次にどう行動するか考えましょ。むしろそっちのが重要でしょ? みたいな。そんなノリ。

というのもベトナム、しょっちゅう停電しますから。(停電話は③で詳しく後述します)
てことは信号だって、もれなく停電しますのでね。
町中の信号がシャットダウンした時は、みなさんどう運転されます?
普通はおっかなびっくり、徐行運転するんじゃないですかね。歩行者に注意しながら。
そして、なんで歩行者に注意するかというと、交通弱者だからですよね。

はい、ここ大事。
本質的に、歩行者が弱者である事実はどういう環境下でも同じです。信号機関係なく
いつでも交通弱者である以上、信号機がついていようがいなかろうが、いつも同じように注意して徐行運転しなくちゃいけない存在なのです。
でもたぶん日本のたいていのドライバーさんは、もし信号がついていて青だったら、歩行者に信号機がついてない時と同じ力で注意は払わないんじゃないでしょうか。

前述のおじさん車もまさに、そういうノリで警音を鳴らしたんだろうと推察するわけなのですが、ルールにのっとっていようといまいと、いったん事故が起きたら弱者ほど命が危ういわけなので。
一等大事なのはその一点であって、正しいとか、良し悪しはその後にくる話かと。

ただこの本質を、交通網がめったに(何十年と)寸断されない国に住んでいると、つい失念しちゃうんだなぁ、と思いきり長めに鳴らされた警音を聞いた時、思いました。

まあ電気も水道もガスもしょっちゅう止まる、家は壊れる、ネズミは走る。
そういう環境が普通の社会で生きていると、だんだん「思いも寄らぬハプニング」「不慮の事故」には耐性がついて、そこにいちいち怒ったり嘆いたりすることはしなくなるんですよね。
だって、それが普通でアタリマエの毎日なんだもん。
一日中、なにも不具合が起きずに終われたらラッキーなんだもん。

正直、女の子がぐずたらしてました程度のことに反応してる暇なんてないのです。
とにかく目の前のもっと深刻な不具合に備えたり、不具合起きたら即座に解消しないと、どうせまたすぐ次の不具合が発生するんだから。←諦め
今日一日を生き抜くのに、そんな細かいところで怒るなんて無駄な労力ですよ、さっさと切り捨てて前だけむきましょう、ハイ次。って感じ。

どうもベトナム人(東南アジア人)は、正義といった精神的・抽象的な概念よりは、生きること、食べること、命をつなぐことと言った、さしせまった物事の本質に重きを置いている印象があります。
人がルールを振りかざせるのは、それだけ恵まれた社会に住んでいるからなんだなぁ、って帰国してからつくづく思いました。

若者は皆、子育て上手

あと、ベトナムでは10代の若者達が(男女とも)、10歳以下の子供の世話を非常によく焼いているのも印象的でした。
基本的にベトナムでは大家族だからか、子守りは10代、ティーンの仕事なんですよね。だから20代になってまだ、赤ん坊のあやし方を知らない若者なんていないのです。

私は子供のころから都会の社宅育ちで、ずーっと下の子たちの世話をしていたし、大学でも児童ボランティアサークルにいたため、学童や幼稚園の子供達とも交流があり、たぶん東南アジアの若者よりで成長したと思うのですけれど。

日本の若者は自分たち世代とばかり交流しているせいで、
赤ちゃんを抱けない、
幼児の行動パターンを知らない、
小学生とうまく話せない、
そんな印象です。
おそらく日本の若者は親になってから、育児スキルがないために東南アジアの同世代と比べて、3倍以上は苦労してるんじゃなかろうか。

もうすこし10代と、その下世代との交流が盛んになってもいい気がします。
そのうち日本でも「ベビーシッターのアルバイトはやっぱり10代よね!」みたいな図式ができるといいですね。

食べ物は、おおむね日本人むき

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(写真:ブン・ボー・フエ)

そんなベトナム、食べ物は東南アジアの中で一、二を争うくらい日本人好みなのではないかと思います。
基本的に東南アジアの食べ物は、油で炒めるか、香辛料をまぶしてあるか、煮るか焼くかしてあります。
いわゆる日本でいうところの、ナマ食がありません。
生食っていうのは、なにもお刺身や生卵の話じゃなく、日本人が普通に食べているサラダ全般も全部NGなのです。

なぜなら生野菜には寄生虫のタマゴがついている可能性があるから。
不衛生な水で洗って、食中毒ばい菌が死んでいないままの可能性があるから。

欧米料理を出す店では、レタスサラダとかありますけれど。
実際、私の父はこういう店でサラダを食べてひどい食あたりになりましたし、日本人や欧米人が寄生虫にやられるのは、だいたいサラダからです。
ナマで食べて良い草は薬草、香草のたぐいだけ。
シャンツァイ、どくだみ、パクチー、長ネギ等等がこれにあたる。

ようするに東南アジア食とは、
1.ばい菌・寄生虫対策で火を通した食べ物
2.高温多湿で疲れた身体を癒やす食べ物
なわけです。

砂糖をふんだんに取るのも、疲労解消対策。
砂糖は身体を冷やしますから理に適っている。
香辛料も暑さバテ対策です。

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(写真:カフェ・スア・ダー。練乳入りベトナムアイスコーヒー。暑い現地で飲むとなお美味しい。やみつきになります

しかし、たとえばタイ食なんかは油と香辛料がきついので、あまり口に合わないと言う日本人も多いです。
そこへいくと、ベトナム食も基本的に油炒めは多いのですが、フォーやブンと言った米麺汁は特にすっきりしており、香辛料も自分の好みで調節できるため、非常に食べやすい。
ちなみにベトナム生春巻きは、現地ではメインおかずではなく、おつまみ的な立ち位置です。

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(写真:コムチェンハイサン)

私はベトナムと言えば獲れたてエビを、ゆでてライムと塩で食べるのが好きでした。
あと現地にしかない青菜の炒めものや、空心菜のにんにく炒め、蓮茶、ベトナムコーヒー、完熟マンゴーにチュウィ(ライチみたいな南国フルーツ)。あ、全然、日本にないものばっかりだ。

東南アジアの食材はたいへん多岐にわたっていますが、日本にはほとんど入ってきていないように思います。
その理由としては、輸送上の問題というより、やはり暑い国の食べ物なので、温帯気候の人々の食材としては適さないのかなという気もしますけれど。(冬場に食べたら身体が冷えすぎて具合悪くなりそうだし……)
でも最近では、日本の夏もけっこう熱帯化してきたので(ベトナムの暑さには勝ってませんが)、夏場だけでも南国食材を今こそ導入して、暑さバテしない身体を作ったらいいんじゃないでしょうか。
まだまだ日本に伝播していない美味しい食材、東南アジアにたくさん眠っていますよ~。

お米のおいしさは気候とリンクする

またベトナムはじめ東南アジアはお米文化圏なので、箸を使う我々からすると、食べやすい食べ物が多いです。
ただお箸はプラスチック製か金属製で、日本のような木製はみかけません。たまに水牛の角を使った箸なんかはレストランで出てきたりしましたが。

そしてお米は細長くて粘りけがない、いわゆるタイ米なので、チャーハンなど炒めご飯に適しています。
このお米はパラパラして、お腹にもたれずさっと消化できる、現地の暑さに適した米と言えます。

ちなみにベトナム二毛作です。メコンデルタでは三毛作できる所もあると聞きました(本当かしら)。
水田では、刈り取ったイネの根元から、もうすぐ次のイネが生えてきているのをよく見かけました(それをそのまま二回目に回してるのかは不明)。一回目が終わったらもう冬の日本じゃ考えられない光景で、見た時は、ちょっと感動しました。
わ~、イネって本来はこういう植物だったんだ! なんてたくましい植物なんだろう!
そしてベトナムは貧しいけれど、食べ物がなくて飢えることってないんだなぁ~と。


日本だと、貧しい=飢えっていう構図ですよね、普通は。
ベトナムは魚も野菜も主食の米もふんだんに取れるので、お金がない=飢えるって図式にならないんですよ。
お金はないけれど、お腹いっぱい食べられる。
お金がなくても、凍え死なない。

そこは日本の常識が通じません。カルチャーショック!

なお日本人ご自慢の日本米ですが、じつは現地人からは「おいしいがお腹にもたれる、ねばりが強すぎて食べづらい」という評価。
私がヒアリングしたかぎりでは、あまり日本米は高級で美味しくて万歳、満点~!という受け止められ方はしていませんでした。
そっか、どんなに美味しい食べ物(米)でも、その土地の気候にあっていなければダメなんだなぁと。

暑い国に適しているのは、やっぱり日本米よりも胃にもたれずさっと消化できるパラパラ米なんですよね。逆に言えば日本米は、雪が降るような冬場でも、腹持ちがよくて馬力が持続する。おそらくパラパラ米はすぐエネルギー切れる。
とすると日本米万歳なのは、同じくらいの緯度に暮らす中国人や韓国人なんじゃないでしょうか。
余計なお世話ですが、売りこむなら、そちらか欧米にしておいたほうがいいかと思います。 

またまた長くなったので、今日はここまで。③に続く>>

yukiusagi-home.hatenablog.com

おまけ・受け継がれる歌

前回短編記事の途中から唐突に始まったこのコーナー。
鬱屈感漂う世の中をなんとか少しでも明るく~をモットーに、ゆきうさぎお気に入りの歌を紹介しておりました。

いったんは〆にしたのですが、継続希望が出たので、もうしばらくこのコーナーも続くことになりました。
七曲目はONE OK ROCK-feel the fire」

www.youtube.com

オススメの2曲目でもご紹介したONE OK ROCKさん、ふたたび登場です。

私、昔からスティービー・ワンダー大好きなんですよね。
この曲ももちろん、発表当初から好きなのですが。
あらっ、スティービー本人じゃない人がカバーしてる!
と思ってよく聞いたら、なんとONE OKさんじゃないですか。驚。

聞いてみたらONE OKさんの歌い方から、ものすごく元歌をリスペクトしているのがビシバシ伝わってくるし。
そんな中でも、自分たちのロック調もしっかりアレンジで含ませていて。
なにより、あんな若い子たちがこんな大物のカバーをするなんて、よっぽど勇気がいっただろうなと、その心意気に拍手を送りたくなりました。。。
そして若い歌声、伸びやかで良いですね~~

突然ですが私、NARUTOも大大好きなんですよ(少し前に物語終了した、週刊少年ジャンプ連載の人気忍者漫画)。
だからこの曲を見つけた時点で、
「わあ、『受け継がれる火の意志』がリアル世界で、現実に起きてる~~!!」
と勝手に一人で盛り上がっておりました。↑まさに火の意志の歌ですからね。

本当に良い曲って、こうやって歌い継がれ、不死鳥の如く新しく蘇っていくんだなぁ。感動。

自分が、いつのまにか世代交代を目前で見るほど年を取ってしまったのを、少ししんみり思うとともに、この「新しい火の意志」が、また若い人たちの心を照らしてくれるのを、頼もしく感じたしだいです。

大丈夫、日本の未来もきっと明るい♪


それでは、また。
ごきげんよう