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楽しく暮らそう。ゆきうさぎの創作雑記

【詩エッセイ♪】 夢のたびびと93『朝がやってくる』・始まりの刻の記憶

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こんにちは、ゆきうさぎです。
はじめましてのみなさま、ご訪問ありがとうございます☆
前からご覧になられているみなさま。引き続き「夢たび」お楽しみ下さい♪
子供の頃から夢を見ずにはいられないまま、大人になりました。そんなゆきうさぎが10年近く前に書いていた詩「夢のたびびと」に、このたび新たに「夢たび景色」を書き加えたものが、この詩エッセイです。

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イラスト提供:ふわふわ。り

【夢たび93】『朝がやってくる』   


輝きを失う 月と星

 


足下から 冷気がたち
透明な風が 闇を掃いてゆく 

 

暗がりゆらす ナツメのざわめき
大地を舞う砂 コーランの歌声

 


アフリカの大地を 赤く染めあげ
ゆらめく陽光が 肌をつきさす

 

優しい夜の 夢は遠のき
空に溶けいる 朝餉(あさげ)の香り

 

静寂の谷間を 
さらら 時が流れゆく

 

僕は 
深く息を吸って吐き 力を得る

 

今日を生き抜く 力を得る 

【夢たび景色】始まりの刻の記憶

みなさんは、早起きでしょうか。
はっきり言って、ゆきうさぎは、昔からめちゃくちゃ早起きが苦手です。

中学のころだったか、「鎧伝サムライトルーパー」という、元祖女子むけ(だったのか?)美少年グループの、変身ヒーローアニメがありまして。
トルーパーファンが映画館で歓喜のあまり失神しただとか、今までなかった社会現象として、ニュース報道されたくらいの作品だったのですが……、

そのトルーパーの中に、「天空のトウマ」という英才がいまして、この少年、なんでも優秀、文武両道。
だけど一つ苦手なものが。
それが早起きだった。

このトウマが、前後のストーリーはまったく忘れちゃったんですけど、仲間が朝早く起きてくると、その時は珍しく、もうすでに起きていて、読書だかなんだかしている、というシーンがありました。

「おい、見ろよ、あのトウマが起きてるぞっ!!」
とメンバーが驚くのですが、当人はチラリと相手を見定めるや、

「いいか、聞け。たしかに俺は朝が弱い。しかし俺とて寝なければ、朝は起きていられるんだ。」
みたいなセリフを吐いたんですよ。

ずきゅーん。←胸を撃ち抜かれた音。
たしかに!!! 
その通りだよ、トウマ。あたしが言いたかったことを見事に言ってくれてありがとう。

と、このシーンだけ、30年くらい経過した今でも、しつこく覚えているゆきうさぎなのであります。←ワタクシ記憶力はわりと良い方。

ちなみにゆきうさぎは、残念ながらトルーパーファンではありません、、週刊少年ジャンプを愛読していたので、聖闘士星矢(←知ってます??)ファンだったんですね。当時はドラゴンボールキャプテン翼幽遊白書ジョジョシティハンタースラムダンクなんかも連載時期だったような(うろ覚え)。

トルーパーは、なんか聖闘士星矢の対抗馬みたいなアニメができたというから、思わずどんなものか視察したらば、トウマくんがそのようなセリフを吐いていたので衝撃を受け、いたくagreeしてしまったというね。チラ見しかしなかったので、ストーリーも覚えておらず。。。

とにかく、それくらいゆきうさぎは昔っから早起きが苦手で、夜が強い。
なにせ夜イコール執筆時間、ですのでね。集中すると、いつの間にか4時なんてこともけっこうあったりして

ゆえに、朝はまったく起きられず。
いまだに、どんなに目覚ましが鳴ろうとも、感知しません
だってゆきうさぎの目覚ましは、しょっちゅう「壊れている」。

いや、ホントは鳴ってるらしいんですよ。汗
しかし昔から、3つ4つしかけても、全然起きず、鳴り止まぬ時計ズを妹が止めるはめになったりしていたもので、
「うるさい、いい加減にしろ!」
と、怒られていました。。。

こんな人が今は母親なので、さあ、是が非でも起きないとまずい。
しかしもう、支える側なので、頼れる人は身近にたった一人しか存在しません。
そう、毎日、金色夜叉のように夫にすがって生きております 笑
夫が起こしてくれると、不思議と一発で目が覚める。これ、なぜかは不明。

というわけで、夫が出張にいくと、本気で死活問題です。
朝は……寝なければ、起きられる!!」
トウマの法則」のセリフを呪文のように唱えながら、もはやほぼほぼ寝ない。
夜中、1時間おきに起きている。

すると3日もたつと目の下にくまができて、
「お、お、夫~、早く帰ってきて~、もう睡眠不足で限界、私を起こしてぇ~~」
ってなってしまいます。。。苦笑

これがまた、夫がね、仕事柄けっこう海外出張が多くて、しょっちゅうピンチなんですよね。しくしく。

ほんと、早朝ラジオ体操いける人、尊敬します!!

 そんなヘタレなゆきうさぎではありますが、人生に何度かは、朝の早い時間に起きる経験もしておりまして、なにせ回数が少ないから、一回一回の記憶も感動も、すこぶる鮮明に覚えていたりするのでありました。

その1.ハワイの夜明け

ハワイはサンセットが有名ですが、時差ぼけのせいだったか、なんだか忘れましたけれど、ホテルのバルコニーで人を観察しながら、ほぼ完徹していたら、朝になったことがありまして。

夜に出歩いている人たちって、恋人やら酒飲みやら、なにか退廃的な空気をまとった人々が多いのですが、だいたい1時すぎるとそういう人たちが減ってきて、3時ごろには空が満天の星になり、人通りもまばらに。

4時を回ると、一気に朝を迎えるモードに転換するので、ゆきうさぎもビーチへ移動。
するとまず、夜空がだんだんと薄青い感じになっていき、白み、暁へと変貌して太陽が昇る。
白く輝いていた月は急速に力を失い、亡霊のように水色の朝空を漂いはじめる。

あたりに充満していた夜の大気に陽が当たり、海から新しい朝日の香りを乗せた風が吹いてきて、退廃的な空気を一気に入れかえていく――。

そんな中、活発に活動している朝早い人たち、朝族って、基本的に夜遅くに宵闇を彷徨っている人たち、夜族と全然、発している気配がちがっておりました。

なんかみんな、フレッシュ。ジョギングしてたり、犬の散歩してたり。
エネルギー満タンモードで、これはいかにも生命力に満ちあふれている感じだなぁと。

その2・京都の夜明け

  ゆきうさぎは高校のころ女子バレー部に所属していました。
このバレー部は普通に体育会系部活だったので、修学旅行だろうと朝練も夕練も免除にならず。
バレー部だけ早起きして、一日のスケジュール前に有名仏閣の周りを朝食前にランニングせよだの、山寺の階段を走って昇降せよだのと、けったいなメニューをコーチから課せられていました。

今だから言える。
知らない土地で朝練とか、ゆきうさぎは正直、いやでした!!
だってどこの学生だー、って地域の人からガン見されますでしょ。道もわからんし。
これから修学旅行で一日歩き回らなきゃならないのに、疲れるし時間もない。
えっと、これって、なんの罰ゲームっすか?
あー、修学旅行の時くらい、普通の学生でいさせてほしかったわ~。

しかしコーチはずる賢い大人だったので、そこはお約束どおり、ちゃんと自分は助かる理屈を用意しているわけです。

「別に俺は強制でやれとは言わないあくまでこれは自主練だ学生の本分は学業で、修学旅行中だしな。しかし練習をサボったらそのぶんどうなるか、自らの心に問いかけろよ!」←怒鳴って、睨む感じで。
きゃー。……今だったら確実に、ブラック部活の決めセリフ的じゃね?

だいたい、ゆきうさぎは本当に朝早く起きるのが苦手でしかたがないってのに、朝4時起きとか、苦行もいいところでしたけれども!!

もう晩秋に近い時期だったから、まだ夜が明けきらないうちから外に出て、寒くて鳥肌がたつような気温の中でウォーミングアップして、走り始めるわけなのですが。

朝靄の漂う古都は、ものすごく風情がありました
だいたい東京生まれ育ちのワタクシにとって、京都ってなんか敷居が高いというか、そもそも芸術も文化も、関西圏のが先輩というか。。。

関西の料理のが、全般的に美味しいし。(あっ、東京の同胞たち、ごめんなすって、あくまで私見であります)
京都の小物とか、めっちゃ可愛くてセンスいけてるし!!

東京もいいんですけど。
なんか昔からの東京人って今もう少数派で、現在、東京を構成してる人員って、ほぼほぼ地方から来た人たちなんですよね。
だからなんか日本全国ごった煮というか、なーんでもあるけど、独特の雰囲気があるとは、あんまし言えないっていうか~。ま、そこが強みでもあるんだけどさ。

そこへいくと京都は別世界だった。
夜から朝へとめぐる時の中で、紅葉が朝日に輝いていて、雅で。
とにかく、涙が出るくらい美しかった。
早起きは三文の得。三文? 京都の朝ってば、三両かも。生涯忘れません(眠かったけど)

その3・ドイツの夜明け

大学時代、短期留学でバイエルンの片田舎にいたことがありました
かつて6年住んだ、勝手知ったるドイツですから、まぁ留学生といえど初回ドイツなわけでもないわけで、最初からずいぶん自由気ままにやりたい放題やっておりましたが。

ある夜更けに、勉強していたら、窓硝子がこつんこつん鳴るんですよ。
ぎょっとして窓の近くへいったらば、クラスのノルウェー人男子たちが笑って前の通りに立っていた。

「お~い、ゆきうさぎ~、これからディスコに行くから、一緒に行こう~」
ディスコ。ようは田舎酒場みたいなところです。
しかしマンガでしか見たこと無かったよな、小石を窓にぶつけて中の人を呼び出すシーンとか。
ええと、ここ2階だし。窓が割れると管理人に怒られるので、良い子は真似しないようにしましょう。笑
 
などと考えつつ、外へ出ると。
「ねー、ゆきうさぎ、今なにしてた?」
「え、明日の予習と宿題」
「あ、やっぱなぁ。じつは今夜はクラスみんなで宿題サボろう計画なんだ、だから、ゆきうさぎも決してやるな」
「は?」
最近、先生が宿題を課す量が増えたという抗議のためだと言うのです。

「つーか、今日はやらせない。そのために俺たちが代表で君を誘い出しに来たんだ!」
さようでございますかい。
で、みんなと連れだって酒場へゆき、深夜までクラス仲間と楽しく語り明かして部屋に戻った……けれども。

机の上には、やりかけの勉強がまだそのまま残っている。
うーんと?
でもさー、これ、もうあとちょっとやれば完了なんだから、もったいないというか。
怒られるのいやだし、別にできるし(ゆきうさぎ的にはそんなに難しくない問題だった)。やっぱやろーっと。

そして朝になるころ勉強を終わらせ、朝ぼらけの田舎町中心街を抜けて学校へ。
眠くて視界がチカチカするけれど、ひやりとした朝の空気が身体に染みいって、歩いているうち、だんだん覚醒していく。

ドイツの朝ごはんといえば、固いブロッチェンとハムにチーズに野菜にヨーグルト、あと牛乳やコーヒー。
そして、パン屋さんにその日の朝食べるパンを買いにくるのは、お父さんの役目なんですよね。だから早くパン屋に行かないと、手頃でおいしいパンは朝のうちに売り切れてしまう。

というわけで、その日もパン屋に寄ってから道を歩いていたら、昨日とはまた別なスペイン人男子が後ろから追いついてきて、

「おはよう、ゆきうさぎ! なに買ってたの~☆」
色々と話をしたあと、
「なに! ゆきうさぎ、帰宅したあとに勉強したのかっ!!この裏切り者めー!!」
えー。答え写していいからさ。怒らないでおくれよ。←そんな問題か。笑

クラスでも散々言われたけれども
「まじか、あの飲みのあとやったって?!」
「ウソだろっ」
「何時までかかった?」
「うーん、4時前くらいかな~」みたいな話になりました時に、

「いやはや。日本人って真面目だとは知っていたけれど、とても俺らには真似できない、酒飲んだ後で朝4時まで勉強とか~」
「俺は即、爆睡した」
って話になりました。

「日本人は、よく残業もするというが、みんなそうなのか?!」

「うーん、まあ他の国の人たちよりは、平均的に夜更かしだと思う」
「そそ、そうか……」

当時は円がドルより高い時節だったので、
日本という国が金持ちになったのは、けっして他国から搾取したり小ずるく立ち回ったりしたからじゃなく、みんなが休んでいる間も働いてたからかもよ~」
と、日本ヨイショしたりもしておきました 笑

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イラスト提供:ふわふわ。り

そんなこんなで、ゆきうさぎも寝坊ながら、今でも心に残るような鮮烈な朝の思い出が、いくつかあります。

あべ弘士さんという、旭川動物園の飼育員さんの「どうぶつ友情辞典」という本の序に、

あべ弘士 どうぶつ友情辞典

あべ弘士 どうぶつ友情辞典

 

アフリカのサバンナで、生命は「ぐるぐる回っている」ことに気づいた。
朝、太陽が昇りあたたかくなると、地平線に雲のあかちゃんが生まれる。昼、大きくなり、夕方、ざーっと雨。
そして水はまた大地に戻り天と地の間を水が「ぐるぐる回っている」。
その水でサバンナに草が茂り、シマウマがその草を食べ、ライオンがシマウマを食べ、やがてライオンも死に、分解されて土になり、草がしげり……。
生命の素が水と一緒に「ぐるぐる回っている」。
それらを抱いて地球も「ぐるぐる回っている」。
(序より省略して抜粋)

という話が出てくるのですが、 

 朝とは、この生命のぐるぐるの始まりの時なのであって、だからこそ、陽がふたたびあたった瞬間、大地から湧き上がる水気まじりの空気はすがしく、独特な活力をわたしたちに与えてくれるんじゃないか。

そう思うのですが、いかがでしょうか。

それでは、また。
ごきげんよう

【続きはこちら↓】

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【夢たびを最初から読みたい方はこちら↓】

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