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楽しく暮らそう。ゆきうさぎの創作雑記

【詩エッセイ♪】 夢のたびびと60『夜の嵐と黒い影』・怖い話雑感

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こんにちは、ゆきうさぎです。
はじめましてのみなさま、ご訪問ありがとうございます☆
前からご覧になられているみなさま。引き続き、「夢たび」お楽しみ下さい♪
子供の頃から夢を見ずにはいられないまま、大人になりました。そんなゆきうさぎが10年近く前に書いていた詩「夢のたびびと」に、このたび新たに「夢たび景色」を書き加えたものが、このブログです。 

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イラスト提供:ふわふわ。り

 

 

夢たび60『夜の嵐と黒い影』

 

台風が来ると 思い出す
小さなころの 怖い記憶

 

その晩 どうしても見たい番組があって
ぼくは 母さんの制止も聞かず
深夜まで TVに見入ってたんだ

 

ようやく二階にあがったら
窓を打つ水の音 ごおごおいう風
生暖かくしけった 夜の匂い

 

窓の外で 稲光がした
続いて落雷 そしてまた 青白い光
なんだか嫌な予感 窓の方を見ちゃダメだ

 

けれど ぼくは見てしまった

 

窓のすぐ外で へばりつくように 黒い塊が
耳ざわりな高い声で 叫んでいるのを

 

おい おまえ オレを中に・・・
いれろ! いれろ!
いれてくれ!! いれてくれ!!

 

あれは一体 なんだったのか
ぞわり 肌が泡立って
ぼくは 半泣きで
父さんの部屋にかけこんだ

 

父さんはもう寝ていたけれど
起きあがってぼくを抱きしめ 話を聞いてくれた
それから真顔で こう言った

 

いいかい この世には 
残念ながら 悪意を持つモノもいるんだ
今夜おまえは それを学んだ

 

大人になっても けっして忘れちゃいけないよ
入ってはいけない場所 近づくべきでない時間帯

 

人は忘れっぽいし 自分の力を過信するから
ひとときの楽しみのために 警告を無視しがちだ

 

だけど 畏れる心を忘れ 闇を侮れば
災いはこれ幸いと 牙をむいて襲いかかってくる

 

とにかく こんな嵐の晩は
明かりを消して 寝てしまうに限るのさ

 

その夜ぼくは 父さんの横で眠った
ぼくもいつか 父さんのようになりたいと願いながら
 

【夢たび景色】怖い話雑感

みなさんは怖いお話、好きですか??
ゆきうさぎは、ものすごくホラー好きってわけじゃないんですけども、ミステリーや推理小説よりは、ホラーのほうが好きです。
で、かなりたまーに、怖い系の創作もやってみたくなる事がありまして。
いつもお茶やジュースやコーヒーを飲んでいて、たまーになにかちがう(よくわからない)飲み物が飲みたくなることってないですかね?あの感覚に近い。
夢たび60『夜の嵐と黒い影』はたぶん、夢たびを59個創作したあと、なんか今日はちがう系をやってみようかな-、で、できたものと思われる。←自己分析
 
ただ、怖い系は「やってみたさ」が先にたつので、
一応、やろうと思えば書ける。
でも、実際にやってみたら、めっちゃむずかしい!!!
自分のメンタルというか書きたい意欲を保つのも、すごく大変。
だいたいこのパターンで後悔します 苦笑
 
たぶん本当に好きじゃないと、ホラーって書けないかも。人を怖がらせて(嫌な思いをさせて)、なおかつ飽きさせず、展開も先に進めて、しかも最後にオチをつけないといけないでしょ。
ゆきうさぎ、話の途中で登場人物が凹んだり、メンタルやられると、自分もダメージ食らって落ちるからね。←本当は作者は落ちてちゃダメなんでしょうけど、入りこんじゃうと引っ張られる。
だから、きついんですよ、そこから上がるのー。
なので、怖い話を上手に書ける作家さん、めっちゃ尊敬します!!!
 
怖い話といえば、ゆきうさぎの中では、一にも二にも小野不由美師匠。
とにもかくにも、怖い。描写が、話の持って行き方が、めっちゃうまい。(語彙力無いなぁ……)小野不由美さんの「屍鬼」とか、怖かったな。
あ、屍鬼でシキって読むんですけどね。
 
なんだろう、日本版ドラキュラ?一つの村がみんなドラキュラ化して壊滅するんですけど、前半はとにかく、なにが村に起きているのかわからない。だけど人がどんどん死んでいくし、異常な現象が多々起きて不気味。
で、後半にさしかかって、犯人がドラキュラ軍団だったと判明したくらいから、今度は視点がドラキュラ側に移るの。
こっそり人を襲って、村全部を魔物化しようと画策していたところ、今度は人間に狩られる側の恐怖が描かれていくんですよ!!!Oh、なんなのこの話!!!!!
山本周五郎賞の候補になって、結局賞は取れなかったんですけど(選考の先生方にはまた別な視点がおありだったみたい)、私は小野不由美節が効いててすごいなぁと思いました。
 
あと怖い話。三浦建太郎さんの「ベルセルク」とか。
怖いしとにかくグロいし、まともな女子の読み物じゃないよ、って思うけど(ゆきうさぎは読んだけど)、あの話はやっぱり主人公のガッツが主人公として魅力的で独特で秀逸なんだろうなぁ。
あれほど強烈な主人公、他であんまり見ない気がする。
ベルセルクって、たぶん北欧神話の狂戦士「バーサーカー」からきてると思うんですが、その名のとおり憤怒の戦士なんですよね、ガッツって。不動明王みたいな。
で、なんでそんな憤怒を身のうちに抱えているのか、それには深く哀しいストーリーがありました――。
みたいな感じで、過去がだんだんと明らかになっていく。
マンガで泣くことあんまりないんですけど、ガッツがキャスカと結ばれたところでは、号泣させられましたねー。
優れた怖い話に共通するポイントとして、人間の負の部分が嘘偽りなく描かれている、というのが上げられるかと思います。
だいたい普通、世に評価されている物語は、オブラートにくるんだり、うまく黒いところを避けたり、都合良く展開が進んだりして、うまくまとまって終わるじゃないですか。
それはそれで有りだし、ゆきうさぎも好きだし、大概の人もそういうストーリーが好きだからこそ、支持されて拡散するわけなんですけども。
 
でも実際の現実って、そんな簡単じゃない、都合よくいかない、もっと残酷で汚くて哀しいよね、とも思うわけ。
目の前が黒いからこそ、架空の話の中だけでも、綺麗に救われたいっていうのもあるけど、自分が創作する側に立つと、時々、逡巡するんですよね。
これって嘘じゃない?本当のこと書かなくて、いいのかな?って。
 
だからあえて痛い処から目を背けずに、話をどんどこ展開していく作家さんを見ると、本当に尊敬しかありません。
怖い話で、これも外せないと思うのは諫山創さんの「進撃の巨人」。
ついこの間、アニメ第3シーズンが終わってしまい、ゆきうさぎ現在、巨人ロス状態です。
これもねー、子供たちには絶対見せられないアニメでね。めっちゃグロいから。
息子なんか夢に見ちゃうから、ちらっとでもNGだけど。
子供がいない深夜もしくは、学校に行っている間にこそこそ見てました。苦笑
 
 進撃の巨人を視聴する際には、全部他をシャットアウトして、正座して、録画をまず1回見たらそのあと続けて同じ話を、すぐもう1回見ておりました。
最初は全体を見るため。
次は細部までじっくり見るため(ゆきうさぎ、変な人……汗)。
エルヴィン団長がお亡くなりになる前後は、涙が鼻水と一緒に出まくってて、心が震えっぱなしで、ティッシュたりなくなって大変でした。
せめて、せめて地下室だけでも、見せてあげたかったよー。うううう。涙
 
あ、解説しますと、団長には夢があったんです。壁の外の世界をいつか知りたいっていう。エルディア人は壁内で洗脳され、過去の歴史の記憶を改ざんされているので、最初は壁の外の人類は全滅したと思ってるんですよね。
だけど話が進むうちに、どうやら壁の外の人類は滅亡していないとわかる。
じゃあ誰が、どうやって今この状態を作ったのか?
ナゾがナゾを呼ぶ展開。多大な犠牲を払いつつ、一つ一つ真実が明らかになっていく。
 
で、キーマンの団長さんがずっと知りたがっていた情報が、地下室にあるってわかるんですけど、すぐ手を伸ばせばそこにある地下室に、行きたいのに行けない。
なぜならエルヴィンさんは団長だから、これから部下と特攻しなくちゃいけないから。
で、結局、大戦友のリヴァイさんに「すまない、死んでくれ」(←これもすごい台詞だよね)って言われて納得して、逡巡をふっきって、特攻するんですよ。
 
なんか救いのある展開だと、死に際になにか少しでも情報がわかった、とかそういう話になろうかと思うのですが、諫山創さんは絶対そういうことしない人ですよね。ゆきうさぎ、どうしても、あそこまで自分の作ったキャラに非情になれないよ。すごいメンタル。どう精神を保ったら、ああいう話を展開できるんだろう。ホント尊敬します。
しかしリヴァイさんも、また十字架を背負っちゃいましたね……。涙
重い、重すぎる。

でもきっと、この現実世界で戦場に出て戦っている兵隊さんたちも、みんなああいう状態に陥るんだろうなぁ。
そして一生、傷を抱えて生きていくしかないんだろうなぁ。
痛すぎるし、きついし、怖いけれど、巨人にも、嘘がないなと感じています。
 
怖い話。
それは、ただ人を脅かすだけのジャンルではありません。
優れた物語は、世の中の不公正さ、不条理さ、人間の弱さもろさ、汚さを鋭くえぐり出し、世に問うている。
きっと作者さんたちは、嘘をつくのが大嫌いな人たちなんでしょうね。
怖い話は非情にならないと書けないし、構成をたてるのがむずかしいので、ゆきうさぎは創作者さんたちを大変、尊敬しております。
 
それではまた。
 
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