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楽しく暮らそう。ゆきうさぎの創作雑記

【エスカレーターに乗れない人々他】ベトナムってどんな国? 3年暮らしてみて、思ったこと⑨

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みなさん、こんにちは。
ゆきうさぎです。

今週も始まりましたね。引きこもり生活が長くなり、買い物も2,3日に1回程度にしているので、最近どうも曜日の感覚がなくなってきました。いかんいかん。
でもここのところ、首都圏の感染者数が少し落ちてきたので、ちょっとだけほっとしています。

今回の記事も前回に引き続き、ベトナム体験記です。

yukiusagi-home.hatenablog.com

私はベトナムに、かつて3年住んでいました(ドイツには6年住んでいました)
この間に息子を妊娠、出産したこともあり、当地には色々な思い出がありますが、、、今回はおもに日本との暮らしの比較と生活体験談をベースに書いています。

それでは、どうぞ☆

 食材の品質は保証されない・タマゴを見分ける技術

前回の記事で、ぶっとびスーパーの話を書きましたが↓、

スーパーマーケットの食材はそれでもまだ、一定レベル以上なので安心です。
私のような外国人でも、普通に物を買うことができます。
しかるにベトナムの市場では、こちらのアタリマエは通用しません。
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ここは前回とはまたちがう市場。↑
まず、魚なり野菜なりの目利きができないといけません。

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この中で、どれが新鮮か新鮮じゃないのか、自分の経験値で判断しなきゃならないわけです。日本のスーパーみたいに、パックした日付がシールになって貼られているわけじゃありませんのでね。

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また、自分が欲しいものが、欲しい時に手に入るわけでもありません。
そして、ここからがまた難儀な点で、品物を逐一、売り手のおばちゃんと交渉して、値段を決めないとならないのです。
だからスーパーより、時間も手間もかかる。

つまりその品物の市場での相場を知っていて、旬の時期とか、最近は大量に出回っているとか、そういうことも全部把握した上で、定価より少し安い値段から初めて、交渉して最終値を決めなくちゃならない。

売り手のおばちゃんとの信頼関係も大事です。
一見さんには遠慮無くふっかけてきますからね。
相手が外国人ともなれば、そりゃーもう足元を見られて、定価の倍額以上の値段だって平気で言ってきます。

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(↑これ、私と娘。後ろ姿、初登場)

中でも絶対に無理だ、できないと思った買い物は卵。
ベトナムの市場の卵って、ほんとただそのへんで鶏が産みました~、な卵を、カゴに入れて売ってるんですが。
これが古いやつなのか、今朝産みたての新鮮卵かどうかは、一個一個日に当てて透かして、中を確認するんですよ。

残念ながら私に、この経験値はなかったので、卵はメイドさんにお任せでした。
卵自体も、殻が割れやすかったり、大きかったり小さかったり。
古い新しいの他にも確認ポイントはたくさんあります。

そして、買ってきたら必ず自宅の水道で洗わないと、汚い。
鶏卵って変な話ですけど、産むときってフンをするのと同じところを通って外に出てくるわけなので、なんか色々な物が卵に付着してる。それが普通で本来の姿なわけで。
日本の鶏卵は一つ一つ、鶏卵農家さんが洗って下さってますので、我々はスーパーで買う卵も元はそんなだと意識もしないわけですが、当地はそういう作業も全部、家庭の仕事なんですよ。

そして言われるわけ、現地の人たちから。
「えっ、もういい歳こいた大人なのに(当時は30代前半)、卵の区別もできないの??」
だいたいの日本人は、卵の見分け方なんか習わないで大人になるんだよ!
と言いたいが、ますます馬鹿にされちゃいそうだから、喉まで出かかった言葉を押し殺す。
「えっ、その歳で魚や、野菜の善し悪しの判断もつかないの?」
「アナタ一体、その歳になるまで、なにを学んできたの?」
(つーか、ぶっちゃけアホなの?)←相手の視線が痛い。

発展途上国の人たちって色々と物事を知らないよなー、マナーもルールもなっちゃいない、と先進国から来た側の人たちはよく言ってましたけれど、いやいや、現地の人たちからみたら、我ら外国人もそうとう無能力な処があるというか。
だからナメられて、ぼったくられちゃうというか。。。
そうされても仕方が無いくらいヒドイ実力なわけ。

だってだって、先進国では専業の人たちが、そういうところ全部、サービスでやってくれちゃってるんだもの!
野菜だって魚だって肉だって卵だって、なにからなにまで、ピカピカに磨かれて、悪いところは全部切り取られたり選別されたりして、極上の部分だけがパックになって売られてるんだよ~~!!

と言いたくても反論できない、なぜなら私は郷に従い今ちがうルールの中で暮らしているわけだから。嗚呼。

でも一つだけすごく腑に落ちたのは、「日本で売られている生鮮食料品」はスーパーで目にするのが、アタリマエの姿なんかじゃないんだってこと。
おかげさまで帰国後の今ではどの品がどれくらい、生産者さんたちに手厚くフォローされてから商品となっているのか、なんとなく想像がつくようになりました。

この世の中、当たり前だと思っていることが、けっして当然なわけではない。

でもって世の中、いい学校行ってお勉強だけしてれば万全で許されるってことはなく、その他、生きるために知っておかなきゃならない当然がたくさんあるんだ。

ということを、私は現地で学びました。

エスカレーターに乗れない人々

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ベトナムの道を横断しようとすると、まずこういうカオスな道を↑平気で横切らなくちゃいけなくなります。
なので赴任したての人や外国人旅行者は、右往左往していつまでも道を渡れないから、すぐ「あ~、この国に来て間もない人だ」とその挙動でわかるわけなんですが。

これって日本でいうと、満員電車に乗れないのに近い感覚かもな、と思います。
私、ドイツから帰国したてのころ、朝の東京の満員電車に乗れなかったんですよね。でも慣れたら乗れました。

ベトナムホーチミンハノイは別として、地方はまだそんなにマシン化されていないので、エレベーターやエスカレーターのたぐいも普及しておらず、結果、よくそういう乗り物の前で足がすくんで動けなくなっている人を目撃しました。

つーか危ない、いきなりエスカレーター、直前で止まって逆行されると。そういうことするの、日本じゃ悪ガキだけなんだけど。でもって注意されるような行為なんだけども、現地じゃ立派な大人も普通にやってました、苦笑。

ある時なんかは、近所にロープ―ウェーがあって、小高い山まで一足飛びに上がれたんですけれど、そのロープ―ウェーにどうしても乗れず、止まっちゃってるおばあさんもいました。

家族で手をひっぱってなんとか乗らせようとして、押し問答をしてるわけなんですけど、もう漫画みたいに腰が引けちゃってて、そのうちチケットを放り出して乗り場から去ってしまったという。

その話を後日、知り合いのベトナム人ママ友にしたら、
「あー、だってロープ―ウェーって危なくない? 風が吹いたら揺れるじゃない。もしかしたら落ちるかもしれないって、地元じゃ有名な話だよ」
えっ。なにその根拠のない噂
でもあのロープ―ウェーってたしかスイス製かなんかだから、たぶん絶対それはないかと思うけど。と思いながら黙っていたら、
「ゆきうさぎも、強風の時は絶対に乗っちゃ駄目だよ、落ちるから

いや、、。。
日本人はロープ―ウェー落ちると思ってる人そんなにいないと思います。。。
「えっとさ、あのロープ―ウェー、今まで落ちたことあるの?」
「いや、まだないけど。でもマシンってそういうものでしょ」
あ~、なるほどね。
と、そこで妙に腑に落ちた。
それであの、おばあさんの腰の引けようだったのか。

そっか、たしかにベトナムには精巧で技術の粋を凝らしたようなメカニック系は、ないかもしれない。新幹線もすごい電車も、まだないもんな。
こういう話をしていると実感しました、ああ、私はやっぱり技術立国出身者なんだなぁ。って。こういうのもカルチャーショックでした。

ニワトリの一生

カルチャーショックと言えば、もう一つ。
去年、ある海外在住ヴィーガンの方のブログで「鶏肉はどうやってスーパーに並ぶか」ってお話をされているのを拝読しました。
ひよこを選別し、メスだけを選んで、狭いケージに入れて、非人道的な扱いで卵をひたすら産ませて、最後は工場で肉にして云々。。。

わー、今ってそんなシステマチックに動物を扱っているんだ!ってちとショックだったのですが。
いやでも、それって先進国の話ですよね、とも反面、思いました。

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だってほら、ベトナムだと家の近場で、普通に放し飼いしてましたよ?↑
ちなみにここ、公道です。

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野犬も普通にうろうろしてるけど。↑

私が見たベトナムの鶏たちは、自然に卵から生まれて、親のあとをぴよぴよついて自由にそこらへんを歩き回っていました。
たまに公道脇で竹籠をひっくり返したなかに閉じこめられていると、さあ、もうそろそろ売られちゃうかな、みたいなかんじで。
その後、バイクの荷台に逆さづりにされて市場に運ばれていき、そこでも生きたまま売られたり、あるいは殺されたり。

殺される鶏は、たいがい市場の棒に逆さ宙づりにされて、哀しい鳴き声をあげているも、無残に首を切り取られ、羽根をむしられて、そのまま商品として並べられる。

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↑こんなかんじで。
だから市場の通路はところどころ血まみれだったりもするわけなのですが。
鶏だけじゃなく、なんかよくわからない魚その他もその場でさばかれたりするので、市場の通路はよく濡れていました。

日本だと普通、屠殺現場を目撃したりしませんよね。
皆さん、スーパーのあの鶏肉から、生きた鶏の姿ってあんまり想像しないと思います。
でもベトナム市場に朝行くと、ホント毎回、生殺与奪の権を人間が握っていて、色々な生き物が命を奪われているのを目の当たりにするんですよ、否が応でも。

正直、日本的感覚だとけっこうエグい。
たぶんホーチミンベンタイン市場とか、観光客がわんさかくるような市場では屠殺はしていないんじゃないか。
でも正真正銘ベトナムの生活市場だと、まさに断末魔を聞きながら買い物するというか、それが日常で普通のことなんですよね。

ベトナム人は鶏が卵から生まれて、フワフワの黄色いひよこから、小型の鳥になって、親になって殺されて肉になってまでを、あまさず見て知っている。
鶏の最期の声って一度聞いたら忘れられないくらいの音量と叫びなんですが、あれを聞くたび「ああ、我々って他の命を頂いているんだな」「ありがたく頂戴しないとバチがあたるな」って気持ちには、やっぱり、ものすごくなりました。

けっしてあの血まみれの通路をサンダルで歩かなきゃいけなかった経験を、日本の人たちに強要したいとまでは思いませんが――。
なんか最近の日本って、私が子供のころよりもっと、便利に機械化されて、子供たちも日常的に見たり触るものがゲームとか本とか、無機質なものばかりで。
そういう隔絶された空間にいると、なんか自分も生き物なのに、命の感覚が希薄になるっていうか……、なんかそれで本当にいいのかな、って思ったりもします。

というわけで唐突ですが、当初の見込みより思いの外ずいぶん長く続いてきたこのベトナムシリーズも、たぶん次か、次の次には完結しそうです! 
あと少しばかり、お付き合い下さいませ。⑩につづく。 

おまけ・癒やされ歌

前回短編記事の途中から唐突に始まったこのコーナー。
鬱屈感漂う世の中をなんとか少しでも明るく~をモットーに、ゆきうさぎお気に入りの歌を紹介しております。

十五曲目は「The Green-Foolish Love」

www.youtube.com

この歌は映像もいいな~と思ってます♪
南国の風に吹かれて、心も身体も洗われるような感じ。

それでは、また。
ごきげんよう

今週のお題「激レア体験」