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楽しく暮らそう。ゆきうさぎの創作雑記

【詩エッセイ♪】夢のたびびと・23~24「今日は、恋歌」

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こんにちは、ゆきうさぎです。
はじめましてのみなさま、ご訪問ありがとうございます☆
前からご覧になられているみなさま。引き続き、「夢たび」お楽しみ下さい♪
子供の頃から夢を見ずにはいられないまま、大人になりました。そんなゆきうさぎが10年近く前に書いていた詩「夢のたびびと」に、このたび新たに「夢たび景色」を書き加えたものが、このブログです。
なお「夢たび」は現在、全103作あります。
できるかぎり毎日更新していくつもりですので、よろしかったらどうぞ最後までお付き合い下さいね☆ 

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イラスト提供:ふわふわ。り

 

 夢たび23「ひまわりの恋」 

むかしむかし
神と人との距離がまだ 近しかったころ

 

その日 乙女は見つけてしまった
泉のほとり 金の竪琴

 

琴のそばには うたた寝する
類い希なる 美青年

 

彫りの深い顔立ちに 褐色の肌
眉根をよせて 開いた赤銅の瞳

 

誰何の声は 優しく けれど重々しく
乙女はたまらず ひれ伏した
青年の気配は うつつの人のものでなく
輝かしい体躯は まさに神々のもの

 

ふるえる乙女の あごを持ち上げ
やにわに抱きしめ 優雅に口づけ
気まぐれな 青年は去った

 

ほがらかな笑顔 忘れられないまなざし
太陽神アポロンの 浮き名は聞いていたけれど

 

来る日も来る日も 乙女はひとり立ちつくす
体が朽ち果て ひまわりの精になっても
もう一度 恋しい胸に 抱きしめられたくて

 

かわいそうだと 君は言うのかい?

 

でも 太陽を追うひまわりは 
一度もたりとも 自分の想いから顔を背けず 
胸を張って せいせいと ただ立っているのさ
 

夢たび24「ディミトリ」

プ・プー プ・プー プ・プー
カチャッ

はい こちらナターシャ あら マーマ?
うん 元気よ 今?
夜風にあたってたところ 何? 大丈夫よ 
そう 彼と結婚するのは やめたの

もうしぶんない 話だったじゃないかって?
そうね・・・

この間 友達に誘われて 飲みに行ったの
出来たばかりの しゃれたクラブよ
いつものメンバー 
だけど ひとり見慣れない顔がいた
 
彼? ディミトリっていうの
隣国の田舎から出てきたばかりの 売れない絵描き
お金もないし 服装もぜんぜん イケてなかった
はっきりいって ああいう店には 分不相応ってかんじ
友達の誘いで 偶然 居合わせたの

そのディミトリが言ったの 
ナターシャ 今日はそこまでにしたら 家まで送るよって
まだ ウォッカ一杯しか 飲んでいない時によ

興味半分 彼と店を出てみた
口説かれるのかと思ったけど
ディミトリったら 今日は星がきれいだねって

そのまま 星座の話なんかして
気づいたら家の前で
あたしが鍵を開けたら
ディミトリはさっと 扉に手をかけて・・・

ううん大丈夫 何もなかったの

彼は 扉を引いて
あたしを優しく中に入れると
戸口のところで 礼儀正しくお辞儀して
こう言ったの

今日は君と話せて楽しかった ありがとう
おやすみ よい夢をね
って

マーマあたし 一瞬ね
自分が中世のお姫様で 彼が騎士のように思えた

服装とか顔とか 相手の稼ぎとか 気の利いた会話とか
そんなことばかり気にしていた自分が
とっても 薄っぺらく思えたわ

ディミトリ? もうお国に帰ったの
許嫁に贈る指輪を選びに 来ていたんですって

あたしねマーマ 
打算じゃなくて もう一度まっとうに生きて 恋してみたいの
だから 心配しないで

また電話するわ 愛してるマーマ
ありがと じゃ おやすみ

カチャッ
プ・プー プー・・・
 

【夢たび景色】今日は、恋歌

あらー。奇しくも今日は、恋の歌が2連発ですー。
みなさんは、恋話、好きですか??
ゆきうさぎはもう乙女を通り越して??十年ですが。それでもやっぱり、純粋な恋の話は大好きだな。いくつになっても、きゅんとする時は、きゅんとしちゃいますよね。
 
「ひまわりの恋」
ゆきうさぎ、ギリシャ神話が好きなんです。
好きというか、いつのまにか身体に馴染んでしまいました。
初めてギリシャ神話を知ったのは、たぶん小学校低学年くらいだと思いますが、その後、ドイツで六年生活して、旅行に行ったりすると、ヨーロッパの美術品ってギリシャ神話モチーフがめっちゃ多いんですよね。
あー、この有名な絵は、ギリシャ神話のあのシーン。
あー、この有名な彫刻は、ギリシャ神話のあの人。
そのくらい、あっちにもこっちにも、ギリシャ神話ネタが転がりまくり。
と、いうわけで
このひまわりの歌も、そんなギリシャ神話の一節から着想を得て創作してみました。
ゆきうさぎの庭に、大きなひまわりを植えた年があったんですよね。
たぶんこれは、その年に書いたんじゃないかと。
毎日水をやっていると、太陽を追って、本当にひまわりの顔が動いてる。
「あー、アポロン(太陽神)ったら、あいつ、ホントにナンパ男だからなー(ため息)」
でも、こういうシチュエーションで、もし自分がひまわりだったら、
「あーあ、だからやめとけばよかったのに、可愛そうに~」
とか絶対、言われたくないよな。
なんか余計にみじめになるし。自分の純粋な恋心をそんなふうに一言で片付けられたくない、たぶん。
よし、やっぱりここは、応援しないと!ひまわりちゃんを!!
ってなわけで。
今、まさに苦しい恋に悩んでいる乙女のみなさん。
貴女は十分、素敵で、価値のある人です☆
 
「ディミトリ」
この詩に出てくるディミトリさんは、実在する人物がモデルです。
かつてゆきうさぎがドイツで十代の終わりに知り合った、ウクライナ出身の絵描きさん。
茶色の髪、緑青の双眸に、笑顔が素敵な、とても真面目な青年でした!
あ、ちなみに全然、恋の相手とかじゃなくて、ただのクラスメイトだけどね(笑)
彼とは2ヶ月くらい、同クラスでドイツ語を勉強したのですが、たまたまクラスの飲み会で遅くなった時に、
「もう遅いから、寮まで送るよ」と。
まあ送ってくれるのは、むこうの男性ってみんな基本的に優しいし、ありがとうございますと、楽しく語らいながら帰ったわけなのですが――。
戸口のところでね。
まず、扉をスマートにあけて、自分の身体でこちらが通りよいように道を作る(←このへんが小さいころから自然にやってきました感、満載)。
そして、19世紀風に軽く礼儀正しーく、会釈して、
「おやすみなさい。よい夢を」
ですよ!!!
彼の目は月明かりできらきらしていて、口元には微笑がっ。
ああ、なんていうのかなー。ダウントン・アビー風?
え、なに?これって時代劇?!映画??
私って今、いつの時代にいたんでしたっけ?ずきゅーん。(胸を射貫かれた音)
 
あ、何度も言いますが、彼は本当にただのクラスメイトで、その時、ただフツーに私を送ってくれただけなんですけどもね。
ああいうふうに、普段からウクライナでは女子を淑女のように扱う、そういう文化なのかなー。と、強く強ーく感じました。
そして、淑女として扱われると、夢たび詩じゃないですが、こちらも胸襟を正さねば、ってはっとなった。
当時はまだ、東西冷戦が終わって5,6年くらいで、東ヨーロッパの人たちが西に来始めた最初のころだったので。
なんていうか、東で冷凍保存されていた、何十年前かの堅気なヨーロッパ男性と、時代を超えて出会っちゃいました、感がものすごく強い出来事でした。
 
そういえば白ロシア(「ベラルーシはロシアじゃない!」が口癖)出身の男性も、めちゃくちゃ真面目だったなぁ。
放課後にみんなでレクリエーションしよう、って話になり、体育館を借りてバレーボールをしたのですが、アメリカ人が適当にバレーボールしてたら、
「おい、ちゃんとルール通りにやりたまえ!君!」(←「ぼくのヒーローアカデミア」の飯田くん風)
みたいになってたし(アメリカ人たちは、きょとーんとしていた……汗)。
 
あら、なんかぐだぐだになってきたので、むりやり結論。
やっぱり、王道は王道!
礼儀正しい男性には、感服します!
女性を大事に扱ってくれて、どうもありがとう。
 
それではまた。
 
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