はてなブログに中編小説を載せ終えてみた感想【自作ノベル】宇宙に浮かぶエリュシオン あとがき
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みなさま、こんにちは。ゆきうさぎです。
昨日まで連投41回(途中で月間報告もはさみましたけれど)、「宇宙に浮かぶエリュシオン」がようやく終了しました! 初めから読みたい方はこちら。↓
ということで、今日はこの小説の振り返り回です♪
エリュシオン作成経緯
この物語を初めて思いついたのは、10代の終わり頃でした。たぶん高校の終わりか大学1年生くらいのころかと。
当時は1990年代の半ば過ぎ。世紀末でノストラダムスの予言やら、エヴァンゲリオンが流行っていた時代です。なんとなく終末思想的な雰囲気が世の中に蔓延していた――。
環境問題は80年代から叫ばれていたオゾンホールが深刻化。フロンの排出規制が本格化しましたが、21世紀に入ったらさらに温暖化が加速し、日本は降水量が増えて夏は暑く冬は暖かくなる、と当時から言われていました。
今COP25がちょうど開かれていますが、90年代に言われていた未来予想図はだいたい当たってしまっている感がありますね。
まだ少女だった私は「これからどうなっちゃうの? これでいいのか地球!」みたいな気持ちが大きく、グレタ・トゥンベリさんみたいな葛藤もあって、もやもやしていたところ、エリュシオンというインスピレーションが天から「落ちてきた」。
物語のはじまり
一番最初に「落ちてきた」シーンは、天音が黄龍にむかって涙ながらに叫んでいる場面でした。
「行かないで!」「戻ってきて!!」
そりゃもう必死な魂の叫びでした。
黄龍も、天音の気持ちは痛いくらいわかっている。
ここが今生の別れかもしれない。
でも、なんだかわからないけれど黄龍には男子的に「為さねばならぬ」ことがあって、恋人をうち捨てて使命のほうへ行ってしまう――。
え、どういうこと?
この恋人達は、どうしてこんなことになっちゃってるの?
そこから前後を膨らませて書いた大学時の初稿は、集英社コバルトノベル大賞の2次予選に通過しました。
なんか今更感・満載なカミングアウトでスミマセン……じつのところ、このあとがき書くまで忘れてました、この事実(笑)。
ちなみに集英社ノベル大賞(コバルトノベル大賞の後身)は、現在はプロアマ問わずwelcomeで年1回公募されており、大賞は300万円という、けっこう大手の賞です。
たぶん同系統の小説賞の中ではもっとも賞金が高額設定な上、一昨年くらいからでしたか、枚数制限が原稿300枚程度~400枚までから100枚以上~400枚に緩和されました。
このため現在は応募者が殺到しており、おそらく前回は1100作超くらいの応募がきてたんじゃないかと。←つまり、かなり高倍率になっちゃってる状態。参考まで↓
ゆきうさぎも例年応募してて、1次はだいたい毎年通るんですが、オレンジ文庫が創設されてからというもの、この賞の受賞者・最終選考通過者はアマチュアではなくプロかセミプロが多い印象です。
昔はコバルトノベル大賞という名前で新人のみで賞金100万円。枚数制限が100枚程度だったんですけどね。。。
ま、そんな賞があるわけなんですけれどもね。前フリ長くてすみません。
とにかく、この20年前の初稿はワープロで書いたんですよ。ええ、東芝ルポでですよ。
まだ当時はPCの使い勝手があんまりよくなくてね~。
ウィンドウズ95出てちょいくらいな時代でしたので、私はしょっちゅうフリーズするPCを信用しておらず、ひたすらワープロで小説を書きまくってました。
印刷は1枚1枚手差しです。
だから集英社に原稿送る際も100枚くらい手差し印刷。わ~、なんて面倒な。。。
というわけで、当時の原稿はもっぱらワープロのフロッピーディスクに保存してたわけです。
そして2014年に「そういえばエリュシオンってどんな話だっけ~」とふりかえろうとしたら、なんと!
もうフロッピーを稼働できる媒体が家になかったという!!ががーん。←いや~ただのお馬鹿さんという話も、、、。
原稿フロッピー自体は、まだ実家にあったんですけどね-。
ほんとあの頃の原稿、他にも好きな話がけっこうあったのに(他の予選通過作も!)、なにが書いてあるんだか見たいんですけど、開かずの扉になっちゃいました。 涙
で、「エリュシオンもう一回読みたいなー、でも原稿読めないよ、どうしよ。えーと、たしかたしか、こういうような話だったはずだ! しかたない、読みたいからまた書くか~」と気を取り直して100%、記憶だけで100枚を1から書き直したのが、今回のエリュシオンの素地となった原稿になります。←なのでこれが第2稿と言えるのか、初稿なのか微妙。 苦笑
はてなブログ連載
そのままこの原稿も5年間、眠っていたのですが。←ホント私、いいかげん。
今年6月から「はてなブログ」を始め、とりあえず目標にしていた「詩エッセイ103編全掲載」が終わり、短編をあげていくうちに「そういえばエリュシオン。。。あれ、ちょい長めだけどブログに載せられるんだろうか」と思い出しまして。
はたして「ブログに中編小説はアリなのか?」よーし、このお題を、我が身で試してみよう!←実験好き。
とトライアルを始めました。
ちなみに、始めた当初はもっと簡単に考えてました。
「短編みたいな感じで、原稿を5枚に分割して毎日掲載すればいいんでしょー」みたいな。
でもフタを開けたら「えっ、なんかこの表現へたくそじゃね? てかこの言い回しもおかしくね?」の連発で、毎日毎晩、推敲の日々がスタート。
そうこうするうち「なんかここで、もうちょいエピソード欲しいよな~」「ここは最初から全部書き直したいな~」とか、もう初めのほうは記事にしちゃってるのに、どんどんやりたいことが増えてゆき。。。
気づき
でもね、これってたぶん、毎日読んで下さってる読者さまがいたから、こうなったんだと思います。
基本、私は今まで投稿するため、もしくは自己満足で小説原稿を書いてました。
リアルの友達に、物語を読んでもらうこともありましたけれど、全部書き終わったものを刷って渡して読んでもらう形だったんです。
だから正直ここまで物語の先に受け手がいるのを、毎日強く感じながら原稿を書いたのは、これが人生で初体験。
なんと、5枚書くごとにコメントがくる! どっひゃー。
読者さまに失礼にならぬよう、失望されないよう、もう甘えも言い訳も一切できない、これは今持っている全力全霊で書くしかないっ。←という重いプレッシャーを毎日感じておりました。
でも、この記事を読んでらっしゃる方の中に、これからもし小説を書こうとされている人がいらしたら。
はてなブログのトライアル掲載は、オススメです! 大変だけど、得るものも大きい。
というのも、はてなさんは、やっぱり読者さまが多いと思います。
こちらとしては、読んで下さる方が多ければ、俄然やる気が湧く。
そしてスターやブクマ文化があるので、コメントを頂きやすい。
どんな読者さまが、ここを気に入って来て下さっているのかも、わかりやすい。
いわば「お顔の見える、でもリアルほどには近くない読者さま」がたくさんいる環境。
そして、このブログ空間というのは出入り自由なので「この話、つまらないな~」と思われたらたぶん、もう戻ってきてはもらえないです。
つまりアクセス数が下降するのが毎日、目に見えてわかるってこと。←怖くないですか、これ。私はけっこうこれもプレッシャーでした。
しかし逆に考えれば、本当に面白ければ、また来て読んで頂ける。
どうせ時間と労力かけて書くなら、読み手が夢中になれて心に響く、良い物を書きたい!というのが、私の昔からのささやかな信条なので。
これは小説書き修行の腕試し(っていったら失礼なのかもしれないけど)には嘘偽りない実力勝負の、いい環境だと実感しました。
で、実際どうだったかというと。
エリュシオンのアクセス数は最初から最後まで、多いときは110超、少ないときは70くらい。
だいたい平均90アクセスくらいで推移してまして、幸いにも下降曲線を辿ることは一度もありませんでした!
昨日の最終回はなんと、アクセス数140弱。
これ、私的にはずいぶん自信になりました。
というわけで、私は今まで体験し得なかった執筆修行ができました。この1ヶ月、貴重なお勉強をさせて頂きました。みなさま本当にありがとうございました!
黄龍というキャラクター
そして今回、一番の難産というか大変だったのが、黄龍でした。
そもそも大学時代、私はこのエリュシオンというお話を、最初は完全に天音の話として書いた記憶があります。
なにせ最初に浮かんでいたシーンが「黄龍、行かないで~~!!」だったわけですし。笑
なのですが、5年前の原稿をよく読んでみたら、出だしが黄龍。最後も黄龍。
アレ? これって天音の話じゃなかったんだっけ?
この違和感が、喉に刺さった小魚の骨みたいにずーっとイガイガしたまま、はてなブログ掲載がスタートし。進んで行くうち、どんどん無視できないものになってゆき。
「あ~、やっぱエリュシオンって黄龍が主人公なんじゃ?」
……読者さまはどう思われていたんでしょうか。ゆきうさぎは話がだいぶ進むまで、黄龍が主人公ってあんまり思ってませんでした。二人の話なのかなー、とか。こういうのきちんと考えないで直感で書いてるから、アマチュアなんでしょうけれどねー。
とにかく黄龍に目が向いたとたん、この人が憑依(?)するのがわかりまして、、、。
でも天音の3倍以上には疲れる人なんですよ、なにせ「英才」「冷血」「イケメン」で男性。なんでこんな大変な設定なのさ。今だったらこんなてんこ盛りにしないよ。乙女の夢だったんだなぁ。
中盤あたりから、かなり胃が重くなったのは、この人がずーっと身体の中にいたのもあったと思う。
黄龍は基本的にぴょんぴょん飛び跳ねる系の元気なキャラではないので、「あ、いる」みたいに明確に「いる」感じが最初はしなかったのですが、その後も静かに、でもかなり有無を言わさぬ強い感じで、内側から主張してきてはいました。←ここらへんも疲れる。
終盤のバトルシーンで『梟(フクロウ)』を倒す際に言い放った台詞なんかは、はっきり彼から「書け」アピールがこちらがわに要求ありました。
「『梟』。おまえは、何世紀も前の人間の怨念に毒された亡霊だ。過去の闇を、未来に持ちこむな――」
↑これです、これ。
これ、ウォーキング中に言われたんですよ。
「え? なになに、カコのヤミが……なんですと?」
聞き返すと、すごい不機嫌になってくるのがわかったので。こんな簡単な台詞をなぜ一度で記憶できないのか、みたいな。怖。黄龍、怖っ。
忘れないように、かなり早足で帰宅して即メモしました。 苦笑
登場人物たちからのメッセージ
こんな感じで、物語を執筆している時というのは、往々にして通常の感覚がブレるというか、普通人の私+身体の中に誰か居る、二重で生きている感というか。
今まで2回妊娠しましたけど、ちょっと妊娠してた時とかぶる感覚かも。あ、物理的に「いる」感じではないのですが。
こういう、いつも生活している時となんかちがう第?感がスイッチオンになって、鋭敏になるのも、小説創作のオモシロイところかなと思います!
作家の上橋菜穂子さんが以前「守人シリーズ」を書かれていた時、「バルサの息づかいを感じて書いていた」と言われてましたが、これ、わかるなー、なんとなく。
ようするに↑と同じですよね?おそらく。
ぶっちゃけ浩宇は最初はモブキャラだったのに、書いていくうちにどんどん勝手に生き生きしていくし。
シュバイツアー教授も最後のほうで「わしにも一言言わせてくれ~」な感じで出てきました(笑)で、なんかウンチクたれてましたが(笑)
ちなみに今回書けませんでしたけど、浩宇の義兄さんという方は、すごく周囲から慕われた「兄」で戦闘力も判断力も抜群な人だったみたいなのですが、どうやら「キス魔」な一面があったようです。。。って、えええ、どういう人なんだろう。驚。←私は書いてみないとわからないのですが。浩宇がちらっと言ってました。
エリュシオンが終わってしまったので、この話の登場人物たちもじょじょに我が身から抜けていき、やがて無音になるんだなぁと思うと、今はお名残惜しい気持ちがしています。
ひさしぶりに「ふわふわ。り」さんのイラスト使ってみました
おわりに
あら、なんだか最後の創作脳の話は、率直に書いてみたら、ちょっと「ゆきうさぎ、怪しい人なんじゃないか」みたいな内容になってしまいましたね~。
いや別にプロットとか構成とかも一応ちゃんと作って書いてはいるんですよ?
そこらへんは分析脳がフル稼働で。
ただ俗に言う「キャラクターが動き始める」と、フィーリングとしては、こんなふうな感覚になるんですよね。と、いうことを言いたかった。
小説を書くってどんな感じ?
よく言われるのは、「物語は生き物」「産み落とす」「紡いでいく」「勝手にキャラクターが走っていく」等等。
ゆきうさぎは「うん、なんか全部、実感としてわかる気がする~」って思います。
たぶん創作脳って他の方も、お持ちの方は大なり小なり、こういうかんじで稼働しているんじゃないでしょうか。
そして普段あまりこういう話は巷に上がらないというか。
この感覚がわからない人もおそらく多くて、ホントのところを話すと、なんかただの「変な人」っぽくなるので、書いている人たちはそれぞれ「ぼっち」状態で創作してるんじゃないかなぁ。と、思うわけです。←変な人と思われたくないし、自分でも変だと別に思ってないし。
なので「あ~、なんだ。あるあるだったんだ、この感覚」っていう人がいるかもしれない、と、あえて言及してみました。
今はAI開発もさかんで、人工知能がもっとも苦手とする作文・創作分野にかかる研究も熱心にされていると聞きますので。
いつか未来にもっと研究が進歩したら、こういう感覚も脳科学とかで解明されたりするのかもしれないですね。楽しみです。
まあ、そんなこんなで元原稿100枚程度のエリュシオンは、今回終わってみましたら220枚以上に膨れあがっていました。じつに倍以上。
かつて経験したことのないしんどさもありましたけれど、基本的には夢のように楽しい1ヶ月の執筆活動でした。
皆さま、最後までお付き合い下さり、どうもありがとうございました。
感想などありましたら、どうぞお寄せ下さいね。
それでは、また。
ごきげんよう。